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きれいごと(10/2/03)

きれいごとを堂々と紡ぎだしてきた人たちは、
この世の中から不当な扱いを受けてきたことが多いように思う。
「きれいごとの何が悪いわけ?」
わたしはそう思う。

そんなきれいいごと言ったって、うまくいかないよ。
とか
きれいごと言っていたって、自分が窮地に立たされれば、
否応無しにそうせざるを得ないだろうよ。
とか。
そりゃそうだ。わたしもそう思う。
人間って生き物は、基本的に自分が一番大切で、
わがままで間違いだらけで、欲望にまみれてどろどろしてる。
そんなに潔い生き物ではないもん。

でも、この世からきれいごとがなくなってしまったら、
そんなの、真っ暗だ。なんの救いもない。
きれいごと、について真剣に悩み考えているわたしに、
先日、友人が言った。
「俺が苦しい時とかに、救ってくれるのは、
やっぱしきれいごとだったりするんだよね」。

わたしも、そう。
自分のなかのどろどろしたところとか、
くら〜い深淵とかを覗いちゃった時にこそ、
やっぱり自分の核に埋まってる「きれいごと」が燦然と輝いて、
「あ。だいじょぶだ」ってなるもん。

「きれいごと」っていうのは、「きれいなこと」という言葉。
こんなストレートな言葉が、否定的に使われてる世の中なんだよね。
現代って。象徴してるな。

きれいごとを堂々と紡ぎだせる人間は、
人間的にも深みがないといけません。
きれいごと、は世の中に普遍的に存在しているものなんだけど、
それを教えてくれるのは、悲しみだったり苦しみだったり汚れだったりする。
だから、ちゃんとしたきれいごとを言っている人は、
やっぱりちゃんと、どろどろしたところを知っている人だ。
人間が人間である悲しみを知っている人だ。

だからね、きれいごとを堂々と紡ぎだせる人間は、
カッコいいとおもう。

って、こんなことを考えたきっかけは、
マイケルのウィル・ビー・ゼアって曲を聴いていたら、
「I'm Only Human」
っていう一節が飛び込んできたから。
すっごく切なくなって、同時に深く共感した。
ああ、ただの人間。
ただの単なる人間が「ヒール・ザ・ワールド」って唄ってる。
いやいや、自分が取るに足らないただの人間だって知っているから、こそ、
ヒール・ザ・ワールドって言えてるんだよね。

ヒール・ザ・ワールド。
ウィー・アー・ザ・ワールド。
ジョンは「イマジン」と伝え、
ビートルズは「All you need is LOVE」って唄ってる。

出版業界に「世間知らず」と酷評されたヘルマン・ヘッセは、
そのことについて
「私の心の中の柔らかく優しかったものを、世間は罵倒して殺してしまった」
と言いつつ、それでも
「どんな苦しみにも抵抗して、私はこの狂った世界に恋し続けている」
と言い放つ。
「そしてわたしたちは善をなそう」って言っている。

「明日世界が滅びるとわかっても、わたしは今日なお一本のリンゴの種を植える」
とは、ルターの名言。

きれいごとです。きれいごと。
でも、何よりも、力強い。

Feb.03.2010


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