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元気の鍵(09/01/21)

わたしの周りにはヒーラーと呼ばれる、
人を癒す能力を持った友達が多いのだけど、
みんなすっごく個性的だし、その能力のスタイルも色々。
そんな友達の体験談を聞くのは、すっごく楽しい。
時に不思議な世界のようで、でも意外と身近な世界でもあって。
「ああ〜、そういうことってあるだろうなあ」って、
納得できちゃうのは、俗に言うスピリチュアルな世界と、目に見える世界が、
決して分離しているものなのではないからなのでしょうね。
一見、遠いように思えるけど、そうではないみたい。

わたしが信頼してる治療家で相棒のTは、
いろんな体験をしていて、その話は誰が聞いても楽しめるもの
なんだけど、中でもわたしのお気に入りの話を紹介します。

Tの知り合いで、
ちょっと精神に問題を抱えていると思われている男の子が
いたんだって。
変わり者扱いされていて、ほとんど誰とも口をきかない。
周囲となじめず、いつも引っ込んでいる。

で、Tはその母親から
「この休みの間、うちの子を鍛え直して欲しい」
と頼まれたとか。
その頃、Tは治療家として本格的な活動をしていた訳じゃないけど、
周囲の人の不調を解決していたりしたみたい。
お母さんも風の噂を聞きつけたのかもね。

で、Tは「どうしたものかな?」と。
それで、ちょうどその頃預かっていた、
とある山寺に彼を連れて行って、しばらく過ごすことにしたんだって。

さて、辺りを森に囲まれたちっちゃな山寺で、
彼らは何をしたのでしょう?
修行? 
いえいえ、俗にいう普通の修行ではありませんでした。
Tは読経のかわりに、
お堂の中に安置されている大太鼓を叩きつつ、
「サンタ・ルチアを大声で唄え!」
と。

Tはお経を読めるけど、彼はそうじゃないでしょう?
だけどTも彼もサンタ・ルチアなら唄える。
しかし、サンタ・ルチアって(笑)。マニアックじゃない?

で、ふたりで朗々とサンタ・ルチアを唄ったそうです。
「まだまだ! 腹に力が入ってない!
もっと思いっきりよく!
最後のタメが足りない!
  はい、もう一回!」
などと、叱咤しつつ、和太鼓を叩きながら。

彼もたいしたもので、ちゃんと唄いきったんだって。

森の中に食べ物を探しに行って、
イノシシと遭遇して捕まえ損ねたり、
持ってきた食料を猿に狙われて、
撃退に奔走したり。
決して甘くはない自然に囲まれた、
彼を「病人」として扱わないTとの生活の中で、
彼は確実に、元気へと近づく何かを得たみたい。
その後、好きな音楽をやり始めることで、
周りの人たちの評価を得るようになったとか。

いわゆる「普通」とは異なった感覚を持っていた彼に
必要だったのは、何だろうね。
「孤独感」とか「分離感」とかを払拭してくれる
触れ合いだとか、
甘えではない付き合いだとか、
自分は自分自身でいいんだっていうことを
認める勇気だったんじゃないかな。

もちろん、そんな簡単なことじゃないのかもしれない。
でも、Tのこの体験談がわたしは大好き。
だって、人が元気になるための鍵って、
こういうことにあるんじゃないかな。
サンタ・ルチアをなりきって朗々と唄い上げてみることとか、
猿やイノシシを格闘してみるとかは、
ひとつの例だけど、
それって「生きてる実感」を感じさせてくれることだよね。

いろんな病気があって、
やっぱりいろんな治療法があるんだけど、
なんにせよ肝心なのは、
「生きてる実感」を呼び起こすことなんだろうね。
のびのびとした、素直な魂の表現を。

誤解のないように言っておくけど、
Tは信頼の置ける、ちゃんとした治療家です(笑)。
サンタ・ルチア療法家なわけじゃ、ないからね。

Jul.20.2008


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