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今を生きている人(08/7/20)
甲野善紀(こうのよしのり)先生の講演会に行ってきました。
先生は一般的には武術家として知られている存在。
日本の古武術をとおして、人間の身体を探求し続けている方です。
講演会は、実演を交えながら進みます。
なんともいえない、不思議な身体の動き。
力を込めている様子もないのに、
相手をかわしたり、体制を崩させたり、持ち上げたり。
「身体の一部を使うんじゃないんです。
全部を同時に総動員させるんです」
とは、先生のお言葉。
約2時間の講習会。
その全てが、愉快な驚きだったのですが、
中でも印象的な発言を挙げたいと思います。
「身体をひねって力を出そうとする。それって今を生きていない。
ひねってためた分だけ、過去を使っているというか・・・。
今じゃないんですね」
「苦しんで練習に励むっていうことは、
出来ない自分をあらかじめ肯定しているってことなんですよ。
工夫してわかってきたら、自然と楽しくなる。
そして苦しまなくても続けられる」
「安全に囲まれているということは、
生きているという実感が希薄になる事です。
命は大切だ、というけれど、
たったひとつしかない命をかけるからこそ、
生きている感覚を得られるのです」
先生は武術家という肩書きのもと、
人間の身体の可能性を追い求めている人。
そしてそれは、心や命そのものの探求にも繋がっているんだなあ、
と感じました。
音楽家であれ、画家であれ、治療家であれ、文筆家であれ、
クリエイトすることって、人間を命を探求することなのかも?
先生は、最近、30年間に渡って、これだ!と慣れ親しんできた
刀の柄の握り方が変わったそうです。
「え?」っていうくらい簡単に、15分くらいでそれまでの30年間
信じてきたことが覆ったとか。
そして、それを喜ばしく思い、さらに
「でもこれだって、いつまた変わるかわからない」と。
積み上げてきた習慣や、
気づかないうちに植え込まれている概念。
それらを解き放って、新しさを喜び、さらに歩んで行く。
「今」と向き合って、生きている人。
いろんな執着から、自由になった世界。
こうでなくっちゃね!!
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