「極楽通信・UBUD」



「夢日記 @ UBUD」




ダドン
写真:生前のダドンとito-san(入れ墨)のツーショットs


■帰って来たダドン


ダドンは、スードラ階層のバリ語でおばあちゃんのこと。
だからバリにはたくさんのダドンがいるのだが、私とそのダドンとは、1990年に突然の出会いをしてからの長い付き合いだ。
彼女は、2007年12月6日に死去している(享年98才?)。

胸騒ぎがした。
寝室の隣は、窓と扉に白いカーテンが下りた8畳ほどの応接間だ。
私は、応接間に入った。
床まである白いカーテンの合わせ目から、白い棒が出ている。
杖のように見える。
どうしてこんなところから杖が出ているのだろうか、思いを巡らせていると、カーテンの向こうからダドンが出てきた。
ダドンは、白装束の正装に包まれていた。
顔は、白粉をまぶしたように真っ白。
髪は、艶のある銀髪。
私は、驚きもせずにダドンに話しかけた。
「どうしたダドン?」
生前から口のきけなかったダドンは、いつものように「あーあー、うーうー」と音を発する。
ダドンは、以前、私があげた壊れた腕時計をはめていた。
腕時計は4時30分をさしている。
ところが、私の部屋の目覚まし時計は、10時だった。
微かなBGMが、どこからともなく聴こえてくる。
曲は、ボサノバのようだ。
するとダドンが両手を差し出し、私に踊ることを催促した。
私は、ダドンから杖を受け取り、壁に立てかけた。
私とダドンは、ボサノバのリズムに合わせて身体を揺らせる。
唐突に、眼が醒めた。
現実の世界の目覚まし時計も、10時を指していた。

私が応接に使っている部屋は8畳もないし、カーテンはクリーム色だ。
ダドンと踊った映像は、不思議な淡い光の中に見えた。
夢を見た日はガルンガン祭礼日。 だから、ダドンは帰ってきたのだろうか。
クニンガン祭礼日には、ダドンに線香をあげよう。


※《「極楽通信・UBUD夢日記 in UBUD》: 《魔法使いダドン》を合わせてお読みください。




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