「極楽通信・UBUD」



「夢日記 @ UBUD」




アグン山
写真:聖峰アグン山(提供・田尾氏)


■哀しい予感


これは夢物語ではない、実話です。

深夜、ふいに眼が覚めた。
水滴のしたたる、規則正しい音が聴こえる。
この音で眼が覚めたのか。
今夜は雨が降っていない。
ベッドの右は壁になっている。
壁の向こうは、マンディ場だ。
音源は、マンディ場にある洗面台あたりだ。
蛇口をしっかり閉めていなかったのだろう。
止めに行こうかと思慮しているうち、音は止んだ。
・・・・・・・・・
水の音が再びした。
ベッドから起きあがる前に、音は止んだ。
隣室から小さなガタッという音がした。
猫が入って来たのだろう。
隣室の扉は、飼い猫が出入りできるように、夜も少し開けている。
猫は2匹いる。
1匹はメスで、1匹はオス。
メスは、いつも私のそばにいて私を見つめている。
オスは、出掛けていることが多く、深夜にこっそりと帰って来て食事を済ますとまた出て行く。
音は、オス猫の帰宅の合図だろう。
しかし、いつものようにガリガリと餌を食べる、心地良い音が聞こえてこない。
今夜は、寝に帰ってきただけか。
そう思った時に、隣室から冷たい風が吹き込んできた。
全身に鳥肌が立った。
何か悪い予感のようなものを感じた。

この不思議な出来事があったのは、次男兄の訃報メールが届く、3日前のことだ。
その頃、兄は生死の境をさまよっていたという。
「最後までヒロシ(ito-san)のことを心配していたよ」と長兄のメールにあった。




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