「極楽通信・UBUD」



「夢日記 @ UBUD」




コラージュ
写真:コラージュ作品


■呪われる部屋


欠食老人ito-sanは、昨夜「居酒屋・影武者」で手荒い、いや手厚い歓迎を受けた。
女将・ゆみかげさんの料理、和子さんからはカキアン・ベーカリーのケーキの差し入れ、アキラさんからは日本土産のかりんとうをいただいた。
誕生日でもないのに、皆さん、お年寄りには優しい。
感謝・感謝。
たらふく喰って、ご満悦で退店。
あと5分で深夜0時という時刻に帰宅。
深夜0時は、霊力の強い時間だと信じる私は、この時間の前後5分は屋外に居ないように心がけている。
自宅でさっそくビデオ鑑賞。
ウマさんから救援物資としていただいた韓国ドラマは、昨夜ですべて見終わった。
今夜観るのは、Pussの由美さんから借りた、高倉健の「ぽっぽや」だ。
就眠は、深夜3時だった。
その眠りの中で、こんな夢を見た。

玄関の扉を開けて自分の家の中に入ると、右脚太ももから足首にかけて、何かにまとわりつかれた。
子供が抱きついているような感じだ。
だが実際には、何も見えない。
部屋に電気は灯されていないが、今夜は満月前夜で月明かりがある。
まとわりついたものを取り払おうと、両手で掴んだ。
それは、肉のような感触で柔らかく、心臓のような動きをしている。
意外と簡単に、肉の塊が剥がれた。
私は夢中で、それを窓に向かって投げた。
しかし、太ももには、まだ感触は残っている。
窓の向こうにある庭で、ジャリジャリと2度、小石の音が聞こえた。
その後、何かが立ち去ったような気配がした。
そう思った時、太もものまとわりは消えた。
安堵して最初に眼がいったのが、部屋の隅に新聞紙に包まれて置かれた知人から預かっている木彫だ。
その新聞紙の一部の破れから、人間の眼が覗いていた。
怖ろしい眼で、睨んでいる。
眼が合うと同時に、それは瞬時にして私の前に現れた。
真っ白な肌の上半身裸の大男だった。
私は、恐怖で後ずさろうとした。
しかし、身体は動かない。
金縛りに合っているのだ。
乱れた長い髪の中に、見覚えのある顔があった。
韓国人の友人に似ている。
誰だ?
思い出す前に、夢から覚めた。

時計を見ると、4時4分。
寝室の北東にある、お祈りスペースに線香をあげる。
表に出ると、灰色の空に霞んだ月が出ていた。




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