「極楽通信・UBUD」



50「雨季のウブド(Musim Hujan)」





バリには日本のような四季はなく、赤道直下の熱帯性気候のため大きく乾季と雨季のふたつにわかれる。
詳しく説明すると、中央部が熱帯多雨林で、周辺が熱帯モンスーン気候、北部海岸沿いがサバンナ気候となっている。
おおむね5〜10月が乾季で、11〜4月が雨季となる。
11月に雨模様が多くなり12月が本格的な雨季の始まりだと言われている。
乾季は、まったく雨が降らなくて、雨季は、雨が降り続いていると思いがちだが、そんなことはない。 乾季にも大雨は降るし、雨季にも晴れの日は多い。
大雑把にみて、バリは山間部は雨が多く、海岸部は少ないようだ。


雨季のウブド。
山あいの村だから雨は多いほうだと思う。
ウブドでも、地域によって雨の降る状況が違う。
北部の村では雨だが、南部では降っていないということは良くある。
2キロも離れれば、天気も変わる。
道一つ隔てて、違うこともある。


雨季


ツーリストにとって、雨は有り難くないものだろう。
日本の寒い寒い冬を避け、ウキウキと心はずませて熱帯の楽園バリまで来たものの、毎日毎日雨ではせっかくの旅も哀しいものになってしまう。
3泊4泊の旅行で終日雨にたたられた、という話しも聞いたことがあるが、それは珍しいことだ。
ウブドでは、一日中雨が降り続くことは珍しく、たいていはスコールのような大雨が2、3時間ほど降り、あとは晴れることが多い。
ずっと曇り空ということも少なく、梅雨のように毎日毎日降ることもない。
晴、曇、雨とめまぐるしく天候が変わることもある。


雨季 雨季


私が訪れた1990年には、メイン道路はアスファルト舗装されていたが、その他の道は土のむき出し。
側溝も土のままで、そこはいつもジメジメしていた。
宿には草木が多く、風通しの良い部屋でも、いつも湿気った空気が漂っていた。
この頃、こんな情報が公然とあった。
バリの雨季は悲惨で、毎日毎日、雨は土砂降りで、どこへも出掛けられない。
ベッドのクッションは、手で押さえると水が染み出てくるほどジメジメとしている。
そして、衣服にはすぐにカビがはえてしまう。
だからこの時期、賢いツーリストはタイ方面に逃げてしまって、ウブドなどはツーリストはからっぽになってしまう。
それがかなりいいかげんなデマだと言うことは、滞在して、すぐにわかった。
根も葉もない噂を信じて、雨季にバリに行くのは絶対嫌だという人がいるかもしれない。
確かに、カビははえるが、すぐにというわけではない。
クッションも、湿気を感じることもあるが、日中太陽に乾せば大丈夫。
年々、ウブドも都会化し、水はけも良く、じめっぽさは少なくなった。
雨が降ると、アリが部屋に入って来るので注意したい。
まあ、その程度のことはどこの国でもあることだろう。


雨季


晴れ間をねらって洗濯物を乾かすのが、雨季を乗り切る極意です。
極意と言えば、この雨を2、3時間ジ〜と見て過ごすことができれば、あなたはもうウブドを極めたも同然。
こんなこともバリの素晴らしい一面だと考えれば、なんと楽しい旅ができることだろう。
雨に霞む景色も美しく、木々の緑は濃くなり、花々の色はいっそう艶やかになり、果物が豊富になる季節です。
眼の前に広がるバリ絵画のような風景は、瞑想の世界に入ったような絶好の環境です。
雨季には雨季としての良さがあり、楽しみ方があると思う。
乾季より湿度が高いので蒸し暑いかもしれないが、夜は肌寒いので夜間の外出やバイクを乗る人は長袖が必需だ。


「極楽通信・46ベスト・シーズンinウブド」もご覧下さい。


(2011/4/26)




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