「極楽通信・UBUD」



「夢日記 @ UBUD」




雨宿り
写真:ゴータマ通り「ワルン・ビアビア」で雨宿り


■打ち出の小槌


この一週間、雨がシトシトと降り続く毎日だ。
季節は、雨季の終わりに近づいている。
目覚める前の一瞬に、こんな夢を見た。

場所は、パダンテガル村ハヌマン通りにあるワンティラン(集会場)。
私は、スコールに襲われて、ワンティランの軒先で雨宿りをしていた。
道路には川のように水が溢れ、濁流が椰子の実や役目を果たした供物を流している。
眼の前に、まったくゴミのない水溜まりが一カ所できた。
その中央に、小槌がひとつ浮かんでいる。
ガムラン奏者が使う、背中の尖った小槌とは違う。
映画やTVで見たことのある、裁判官が持っている物と似ている。
ところとどころ脱色している、珈琲色した使い古された小槌だ。
私は、その年季の入った小槌が欲しくて、雨に打たれながら小槌を拾った。
軒先に戻ると、小槌にまつわる話を思い出していた。
それは、パダンテガル村に昔から伝わる、打ち出の小槌の伝説だ。
この小槌を拾った人には、夢がひとつ叶うと言われている。
ひょっとすると、手にしている小槌は、伝説の打ち出の小槌かも知れない。 私は、嬉しくなって、何を願おうかと考えた。
金か、彼女か、旅行か、車か、ヨットか、バイクか、家か、・・・・・。
妄想は、次から次に湧いてくる。
欲をかいていると切りがない。
考えているうちに、時間がなくなってきた。
願い事は、1時間以内にしないと効力を失うと言われている。
さまざまな思いを描いたが、私は “世界が平和であること“ をお願いした。
これはバリ人の信仰するヒンドゥー・ダルモの根源だ。
打ち出の小槌は、決して他人に見せてはいけない。 願いごとをしたあとは、誰にも見つからずに、すみやかにどこかへ隠さなくてはならない。
私は、モンキーフォレスト内の渓谷にある、お気に入りのマンディ場近くの大きな岩陰に、打ち出の小槌を置いてきた。

パダンテガル村に “打ち出の小槌” の伝説はない。
でも、もしかしたらモンキーフォレスのマンディ場に打ち出の小槌が隠れているかもしれない。とか・・・。




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