「極楽通信・UBUD」



「夢日記 @ UBUD」




チャロナラン
写真:チャロナラン舞踊劇(バンリ県スロカダン村)


■アリ地獄


夢の中で、ウブド近郊のオダランを観ていた。

奉納舞踊は、チャロナラン舞踊劇
外庭で行われる奉納舞踊を鑑賞している途中、私は用を足したくなった。
私は、観衆の群れから離れた。
寺院内にトイレはない。
寺院周辺では、立ち小便する場所に気を配らなくてはいけない。
これは、坐り小便も同様だ。
寺院の壁に向かってはもちろんだが、神様の方角である山側に向かってするのも御法度。
私は、適当な藪を見つけて、道から2メートルほど中に入った。
あたりは真っ暗闇。

カマン(腰布)を捲り上げての用足し準備。
見上げれば、満天の星。
この日は、暗月のカジャン・クリオンの日。
霊力の強い日だ。
我慢していた甲斐があり、今は、清々しい気分を満喫している。
ところが、星を鑑賞する間もなく、足もとにゾワゾワした感じが走った。
ゾワゾワ感は、草履の足を伝わって広がってくる。
用はまだ終わっていない。
ゾワゾワ感は、フクラハギまでも包んだ。
この感覚は何だろう。
ジンマシンになる兆候の新パターンだろうか。
それとも、何かの霊に包まれているのか。
このまま、地面に引きずり込まれてしまうのか。
この世に思い残すことはいっぱいあるが、これが私の人生なら仕方がない。
あきらめが良いのが私の長所でもある。(友人には、短所だとも言われるが)
私は夢の中で観念していた。
ゾワゾワ感がモモに達した時、それが微かに動いているのを感じた。
私は慌てて、それを振り払いながら、藪から飛び出した。
薄明かりの下で足元を見ると、モモから下が真っ黒だった。
無数のアリが身体を包んでいたのだ。
両手を駆使して、必死に振り払った。
噛むアリではなかったのと、股間までのぼってきていなかったのが、せめてもの救いだった。
カマンを捲り上げたままの格好で、慌てている日本人の姿が滑稽だったのだろう、近くにいたバリ人が笑っている。
笑い声で眼が覚めた。

目覚めると、足もとで愛猫“チビタ”が、うしろ足でアゴを必死に掻いていた。




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