「極楽通信・UBUD」



44「究極のスパ体験(spa)」





旅行者の特に女性たちの口から、スパの話をよく耳にするようになったのは何年前からだろう。
1990年、私が滞在し始めた頃は、《ヌール・サロン》がウブドにある唯一のスパだったと記憶する。私にはまったく縁のない世界だが、好奇心にかられて、一度だけそのヌール・サロンに行った経験がある。その時、男性のセラピスト(ここではマッサージ師と言っていた)に、妙な動きをされ興ざめし、その後は、ご無沙汰している。

ウブド・町スパ・リスト》をアップしています。


マッサージ
1990年頃のマッサージ店状況
写真は大きくして見られます


ウブドには、ず〜っと以前から、バリアンと呼ばれる呪術師のする治療のためのマッサージ、そして普通の家の普通のお爺ちゃんやお婆ちゃんが、神から授かった不思議パワーで治療をしてくれるマッサージがありました。そしてちょっと前に、ジャワから伝わった整体やスポーツ・マッサージをすることろもできました。そして今、女性の飽くなき美への追究から、美容マッサージが大人気のようです。(「極楽通信ウブド・Vol.11」UBUDよろず百科・MASSAGEより。バックナンバーは「Club Bali・極楽通信UBUD」からダウンロードできます。
☆写真は、1995年12月当時のマッサージ&美容室の地図です。当時は、17軒しかありませんでした。これ以降、今も続くバリのエステティック・ブームは、皆様もご存じの通りです。


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★友人がスパをオープンしたので、この場を借りて宣伝させていただきます。
店名は「チャンティック・スパ=Cantik Spa」。
チャンティック・スパ


私のマッサージ好奇心に火がついた、そのタイミングに、知人がサンギンガン通りに《イエ・スパ》をオープンした。

イエ・スパ イエ・スパ

2010年4月20日、お試しに招待されたので行ってきた。
《イエ・スパ》は、これまでの町スパに比べ、ホテルのスパに近い環境だ。料金も町スパよりは少し高めだが、高級感もあり、クオリティは充分に高い。普通の町スパでは、ちょっと、という人には是非お薦めしたい。
日を改めて、足のマッサージ(Foot Reflexology Massage/一時間)をしてもらいに行った。石鹸、塩、レモングラス、レモンを使う足のマッサージは初体験。ちょっと強めのバリアン仕様と思われるマッサージも加わって、施術後の快さは格別だ。

イエ・スパ

(営業時間:9.00am〜9.00pm/年中無休。Tel & Fax:+62(361)978673)


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そして今回(2010年6月)は、日本人に評判の高いスパ、かの有名な《キラーナ・スパ=KIRANA SPA》に招待された。
キラーナ・スパ

※2002年オープンで約10年間続いた《キラーナ・スパ》は、2011年7月いっぱいで資生堂がを撤退し、経営はウブドの王族に移行し2012年3月《ロイヤル・キラーナ・スパ》と替わった。


「ロイヤル・キラーナ・スパ」は、ウブドの外れクデワタン村にある。メイン道路を折れると、民家を突っ切るように走る「ロイヤル・キラーナ・スパ」の専用道が誘導してくれる。
東京ドームのグランドの広さ(1万8000平米)と同じだと聞いている敷地に、ほどよく配置された石彫が野外美術館を思わせる佇まいだ。遊歩道に配置された石彫と景観が、歩行を飽きさせない演出をしている。緑の匂いが鼻先をよぎり、森林の心地よい風が、肌を優しく撫でる。なだらかな坂をゆっくり彫刻を鑑賞しつつ歩を進めるうちに、いつの間にかロビーに着いていた。まったく疲れを感じさせない導線に、感心させられた。設計はアメリカ人建築家だとのことだ。アユン川を見下ろす渓谷のなだらかな斜面にある、深い緑にも癒される究極のスパだ。


キラーナ キラーナ キラーナ


カウンセリング・パビリオンで、アドバイザーからカウンセリングを受ける。その日の体調やセラピストに注意して欲しい点を伝え、使うオイルやジェルなどを確認する。わたしは、3時間コースで「ボディースクラブ(50分)+フェイシャル(50分)」をお願いした。
アドバイザーから、キラーナは「内面の美しさ」と説明された。インドネシア語(サンスクリット)では、光、美しい、美人な、の意味。
余談だが、インドネシアの古都・ジョグジャカルタの王家の女たちに伝わってきた伝統的な美容法には、見かけの美しさだけではなく「内面の美しさも磨かなければならない」というセオリーがある。数々の薬草やスパイスを用いた肌の手入れをしながら、美しい音楽を聴き、香り高いアロマで室内を満たし、精神的に清らかになることも大変重要だったそうだ。そんなインドネシアの伝統美容法と同じ考えが、ここ「キラーナ・スパ」でも生かされているようだ。

今日の私は、内面を磨こうと意気込んだ。
バリ人女性セラピストを紹介される。だが、わたしの担当である彼女の名前を、聞いたはなから忘れてしまった。渓谷には、15棟のヴィラがプライバシーを守って建てられている。その1棟、別荘のようなスイート・ヴィラへ案内された。


キラーナ


バリ・スタイルの門を潜り、中に入ると、広々としたトリートメントルームが控えている。向こうには、ジャングルを背景にプライベートプールの水面が、グラビア写真のように映えていた。


キラーナ キラーナ キラーナ


地階のドレッサー・ルームに通され、トランクスに着替えた。ガウンが用意され、それを着て、トリートメントルームに戻る。
いよいよ、トリートメントの始まりだ。まずは、ベンチで足浴(クレンジング・マッサージで20分)から。セラピストは、湯加減やクレンジングの強さなど気を遣ってくれる。ゆっくりゆっくりとしたマッサージ。
続いて、ベッドに横になる。ボディースクラブと言う奴だ。
BGMは自然の音。流れる水音と落ちる水音が、脳内を小さく刺激する。寝たらもったいないと思っても、やはり気持良くてウトウトとしてしまった。

続いて、フェイシャル。
60歳過ぎれば、お肌に注意しないとね。おかげで、肌がつるつるになりました。

トリートメント後の、ベンチでのハイビスカス・ティがノドを潤してくれる。嬉しいサービスだ。

このあとは自由時間。
温水ジャグジーやプールで、のんびり出来る。こんな時、同伴者がいれば楽しいと思う。親、兄弟姉妹、友人もいいが、愛しい恋人となら格別な時を過ごせること間違いなし。
セラピストは、何かあればすぐに対応できるように控え室で待機している。
地階のドレッサー・ルームで、水着に着替え、再び、トリートメントルームへ上がる。プールの向こうは、空中に浮くような温水ジャグジーがある。檜の香りのオリジナル入浴剤を、ふんだんに浴槽に入れ、景色を眺めながらブクブクさせる。これを極楽気分と言うのだろう。贅沢とは「時間をどう使うか」といういうことだと思う。旅行者は、こんな贅沢な時間の使い方をしていたのだ。これが、セレブな気分と言うものか。プールとジャグジーを往復し、はしゃぐこと20分ほど。


キラーナ


ドレッシング・ルームに戻り、スチーム・サウナ(ミストサウナと言うらしい)へ。これも日本以来で久しぶり。もちろんバリでは始めてだ。と言うことは、20年以上ぶりと言うことだ。入るとほのかにアロマの香りがした。
外のベンチには、ミネラル・ウオーターが、それとなく置いてある。まさに、至れり尽くせりだ。

レイン・シャワーで、汗を流しシャンプーをする。ドレッサーには、ドライヤーはもちろん、ローションに、タオルとブラシも完備されている。これで3時間コースは終了。

スイート・ヴィラを後にして、共同で利用できるエリア「スパガーデン」に移動。荷物は、ロッカールームに。行ったことがないので知らないが、高級エステである。ホテル並のプールに、感激。こういうところで一生懸命泳ぐのは、はしたないと知りながら、クロールで泳ぐ。プールサイドにはリクライニング・チェアがあり、ほてった身体を休めることができる。ここからの景色がこれまた至福。


キラーナ<


プールをほどほどにしてドライ・サウナへ直行。30分ほどサウナをして、帰り支度。(サウナ体験は、末尾の「ミクシイ日記・サウナは、い〜い気持!」をお読み下さい)

最後に、ギフトショップも覗いて帰路につく。
こうして、わたしの「究極のスパ体験」の幕が下ろされたのであった。

※「キラーナ・スパ」の感想
時間に追われたスケジュールではなく、半日を過ごすくらいの余裕をもって行ったほうが良策だ。ファシリティーが充実し、清潔感があるのも満足度アップなことである。

★営業時間:9.00am〜9.00pm/年中無休
★Tel:+62(361)976333/
★http://www.royalkirana.com
★ウブドから無料送迎あり。クタ方面は、DFSより1日2便、予約制の無料シャトルバス運行。


(2012/7/21)




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