「極楽通信・UBUD」



20「デング熱ってAPA?」





先日、インドネシアの新聞でDemam Berdarahの大きな見出し文字を目にした。Demam Berdarahとは、1998年に流行したデング出血熱(Dengue hemorrhagic fever , DHF)のことだ。この時、友人がこの病気にかかって入院した経験があるので、この文字に私は敏感だ。
デング熱は5年周期で雨期、特に末期に流行すると言われているが、今回は6年が過ぎている。デンパサールで感染者が出たようだ。ウブドでは、保健所の方から来たと言う人物から蚊の駆除薬を5袋10000ルピアで購入して水の溜まったところに置いたり、駆除薬の散布などの予防策をおこなっている。

1998年の時、私の友人が突然の高熱に襲われた。私は単なるカゼ熱だろうと、解熱剤を服用させ、汗で濡れたシャツはこまめに交換した。食欲がないというので、居酒屋・影武者の弁当を差し入れした。カゼ熱の対応ならこれでよいだろうと、私は思っていた。
解熱剤を飲んだあとは一時的に熱は下がるが、すぐにまた高熱になる。何度か解熱剤を飲んだがいっこうに熱はおさまらない。発熱してから、すでに3日経っている。この時私は、デング熱という病名を知らなかった。
私の対応に見かねた友人の知人が「とにかく病院に行こう」と、熱にうなされる友人を自動車に乗せて連れて行った。ウブドの病院では原因不明ということで、デンパサールの軍病院に出向いた。そして病名はDemam Berdarah。即入院。入院は約1ヶ月かかった。
もう少し発見が遅かったら、命を落とすところだったそうだ。そんな危険な病気だったとは。友人や友人の知人から、私の対応の悪さを非難されているようで、それから私はDemam Berdarahの文字に敏感になった。

それでは、気になるデング熱とは、いったいどんな病気なのだろう。1998年のバリ・ポストの記事を参考にまとめてみました。
デング熱は、蚊によって媒介されるウイルス疾患です。媒介する蚊は、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)だが、時にヒトスジシマカ(Aedes albopictus , Aedes scutellaris)の一種も媒介する。これらの蚊は、海抜1000メートル以上の高地を除いてインドネシアのほぼ全域に生息している。昼間吸血性で、体は小さく、基本色は黒、何本もの白い線が入っているのが特徴。人が密集して生活する地域、例えばジャカルタ、デンパサールなどの都会から始まり、しだいに周辺に広まっていく。
デング熱には、古典型(クラッシックデング熱・死亡率0.1パーセント以下)とショックをともなう出血型(デング出血熱・死亡率5パーセント前後)の2種類があり、インドネシアは出血型だ。どちらもデングウイルスによって引き起こされる、現在4タイプのウイルスが存在する。
1度、4タイプのウイルスの1つに感染し、その後、6ヶ月から5年以内に再び他のタイプのウイルスに感染すると、両方の抗体のあいだに免疫反応が起き、デングショック症候群と呼ばれるデング熱の症状を引き起こす。

その症状は。
1.突然の高熱に襲われ、2日から7日間続く。
2.手足に斑点状の出血が現れる。
3.心臓肥大。
4.脈拍が弱くなり早まる。血圧の低下(80以下)とともに皮膚が冷たくなり、湿り気を帯びてくる。特に鼻、指、足の先端。患者は不安で落ち着かなくなり、唇の周辺が青くなる。

万が一、デング熱の症状が出たら、すぐに病院に行こう。早期発見で適切な治療を受ければ直る病気です。
  予防策は、マラリアと同じで蚊に刺されないようにすることしかないようです。我々の出来ることは、蚊取り線香を焚いたり、虫除けスプレーで肌を保護したり、長袖長ズボンをはいたりと蚊に刺されないように気をつけることだ。宿泊施設の周囲に水たまりは無いかチェックし、もし水たまりがあれば棄てるか消毒しよう。
そして、なによりも健康体でいることです。身体の弱っている時に、病魔は襲って来ます。楽しいバリ旅行を終わるために、身体に無理な旅をしないように心がけよう。




Information Center APA? LOGO