「極楽通信・UBUD」



「トリ・サンディオ(Tri sandya)のマントラ」



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インドネシア独立(1945年8月17日)後、認められる宗教は「唯一神への信仰」となった。
バリのヒンドゥー教がインドネシアの宗教として公認されるために、唯一神をイダ・サンヤン・ウィディ・ワソとした。
古文書の中にある、「宇宙の神聖なる支配者」「神聖にして絶対的な宇宙の法」という意味の抽象的な概念を、神の名に冠したのだ。
シヴァ神やウィシヌ神、ブラフマ神などは、その化身だ。
この概念を取り入れたのが、パンディット・シャストリ(Pandit Shastri)氏。
バリ宗教の改革運動に、もっとも大きな貢献を果たした人物である。
彼は、イスラームのサラート(一日五回の礼拝)に対応させて、ヒンドゥー・バリではトリ・サンディオと名ずけた一日三回(日の出、正午、日の入り)の礼拝することとした。
パンディット・シャストリ氏は、インドの4ヴェーダとウパニシャッド、そしてバカヴァッドギータを、バリのヒンドゥーの聖典に当たる基本文献とし、これを集約したかたちでバリ人に施した。
さらに、バリ人の営む種々の儀礼を、パンチョ・ヤドニョ(Panca Yadnya=五儀礼)という五つ(神の儀礼、人生儀礼、死霊儀礼、司祭儀礼)に分類し、儀礼をヒンドゥー教徒の宗教義務として位置付けた。
(参照文献:地上の楽園の観光と宗教の合理化・著者/吉田竹也)

ガーヤトリ・マントラ(GAYATRI MANTRA)

Om(オーム)
至高の神よ

Bhur Bhuvah Suvaha(ブール ブヴァッ スヴァハ)
地、空、天界

Tat Savitur Vareniyam(タット サヴィトゥル ヴァレーンニャム)
私たちの聖なる母よ、その輝きは、私たちの心にある暗闇を滅します

Bhargo Devasya Dheemahi(バルゴー デーヴァッス ジャディーマヒ)
私たちは、その聖なる輝きに瞑想します

Dhiyo Yo Nah Prachodayath(ディヨー ヨー ナッ プラチョーダヤート)
私たちの内なる知性を目覚めさせたまえ
トリ・サンディオの時に唱えられるマントラ


一番は、ガーヤトリ・マントラだが、二番から六番まではリグヴェーダのマントラと古ジャワの祈りとを組み合わたバリ独自のマントラ。






ガーヤトリ・マントラはヒンドゥー教における最高峰のマントラとされ、ヴェーダ聖典のエッセンスすべてを含むと言われている古いマントラのことである。
108回を3回(合計324回)唱えます。1日3回でも効果があるそうです。


(2021/11/15)




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