このコラムは、わたしが1990年5月7日にバリの地を踏んだ時から、ウブド滞在の約1年間を思い出しながら記してみたものである。
コラムというより、日記かメモと呼んだ方がよいかもしれない。
1990年のウブドは、濃緑の墨があるとすれば、そんな墨で描かれた水墨画のような風景だった。
それは、ひとたび闇に包まれると、モノトーンのグラデーションの世界となったものだ。
タイトルの「ウブドに沈没」はウブドが水中に沈むのではなく、わたしがウブドの魅力に惹かれ長期滞在していく過程を意味している。
ウブドを訪れた第一印象は、「日本の30年前に似ている」だった。
郵便局が一軒。
郵便は住所不定の外国人には配達されないので、定期的に郵便局に出向かなければならない。
個人所有のテレビは少数で、村人は集会場に設置されたテレビを鑑賞していた。
モータリゼーションとは無縁の村で、自動車、バイクも数えるほどだった。
それから22年が経過した。
村で数台しかなかった電話は、電話線敷設より携帯電話の普及の方が早かった。
ウブドは、目覚ましく変貌した。
今では、インターネットが使える携帯を持っているバリ人が多い。
WiFi完備のホテル&レストランが普通になりつつある。
22年間、一度も日本に帰国しないほど沈没してしまった「ウブド」っていったいどんなところ?
これを読んで、あなたも「ウブド沈没」気分を味わってみてください。
記憶が薄くなって曖昧なところもあり、途中で思い出して追加&訂正することもあるのでお許しください。
後半は、ネタ薄。
一部「極楽通信・ウブド」と重複する原稿もあります。
乱文だが、我慢して最後までお読みいただけると嬉しい。
そして、ご意見ご指導を頂けるとありがたい。