バリの芸能解説

芸能の原点は祭祀だ。バリの芸能は、本来、神々に捧げる奉納芸である。と言って、堅苦しいものではなく、バリ人の日常のひとつとして身近にある大衆娯楽でもある。日本の歌舞伎がそうであったように、観ている人が大きな声で泣いたり笑ったり、時には演者と掛け合う参加型娯楽だ。そんなことから、観光客にも身近に感じることができる。

ガイドブックなどに〈バリの奉納舞踊は3つの範疇に分けられる〉と、紹介されていた時期があった。「ワリ=wali」神聖な宗教的な舞踊(ペンデット、ルジャン、バリスグデetc)、「ブバリ=bebali」儀礼的舞踊(ワヤン、トペンetc)、「バリバリアン=balih-balihan」世俗的舞踊の3つだ。そして、ワリは寺院の最奥の庭(jeroan=ジェロアン)で、ブバリは寺院の中庭(jaba tengah=ジャボ・トゥンガ)で、バリバイアンは外庭(jaba=ジャボ)で奉納されると決められた。実際には曖昧で、どの儀礼でどの舞踊が要求されるかは土地の伝統によって異なっていた。バリ人も、境界線の意識を明確に持っていないようだ。この分類は、現在、消滅している。